心理-秘教的チェス

この心理-秘教的チェスという作品で、著者であるエルネスト・バロン氏は、ゲームであり科学であるチェスと、これに秘められるあらゆるシンボリズムについての理解を通して、興味深い心理的、秘教的研究を行っている。この独創的な研究において、人生という盤の上のチェスの試合のように、人間とその心理的欠点との戦いに必要なカギを与えている。

この本は、はるか古代より存在するチェスの起源と伝統についての研究をもって始まっており、私たちに真のチェスについて、また存在の一部である二重性について教えている。著者の表現を引用すると、「心理・秘教的チェスは、あらゆるものの一部をなす存在の科学であり、伝統的な概念を超越したものである。それは、方向付けられた人生そのものなのだ。」

第2部では、数字学と法則の知識に基づいて、地球という盤の上の駒-人類の、一手-試合の重要性を示している。これは、特に人生の何らかの局面において、自分のとるべき進路に確信が持てない時、大きな助けとなるものである。

最後に、この作品の第3部では、人生そのものの中に見られる、様々な駒とその象徴について見事な描写を行い、人生というチェスの試合に良い結果で勝つために必要な動きや戦術についても説明している。

疑いなく、人生において、誰もが生きる社会的に難しい時を生き抜くための明らかな指針や解決策を与えてくれる、素晴らしい書である。